成人式によせて [年末年始]
今日は「成人の日」ということで、３連休となった昨日・今日と全国各地で様々な新成人を祝う催しが行われました。
今年の新成人は、全員が平成生まれ（平成元年（１９８９年）４月２日～平成２年（１９９０年）４月１日生まれ）だそうです。なんか、「昭和」も遠くなってしまった気がします。
新成人の皆さん、おめでとうございます。これからは社会の一員としてその責任も重くなりますが、この国の将来は君達にかかっています。社会人として、今日の感慨を忘れないで欲しいと思います。
この成人式、昔は「１月１５日の時点で２０歳の者」という条件があったみたいですが、それですと、１月１６日から４月１日生まれの人は、１学年下の人と成人式（１年遅れ）になってしまうので、今では学年で一緒に行うのが当たり前になっています（私も該当します）。
さらに、案内状が送られて来るのは「住民票が実際にある自治体」からです。これは今でも殆ど変わっていません。私の場合、就職のために地元から東京に住民票を移していたので、地元からは案内状が来ず、顔見知りは１人もいない東京の自治体から案内状が届きました。これでは、せっかく地元に帰っても受付を通ることができないことや実際にそういう話を事前に聞いていたので、前年の暮れに両親に市役所へ故郷の成人式に出席できるかどうか確認してもらい、案内状を実家に送ってもらいました。
実際、今でも私の地元の高校3年生は、おそらく半分近くが市外へ住民票を移してしまうので、高校を卒業するまでの１８年間（人によっては転校等でこれより短くなる場合もあります）地元の学校に通って友達もいっぱいいるのに、「住民票がない」という理由だけで成人式に出席できないという典型的な「お役所仕事」がまだ続いていると思います。市役所も、そういう点を調査・考慮して欲しいと思います。
そんな私の成人式は、昭和６３年（１９８８年）１月１５日でした。翌年（１９８９年）は、１月７日に昭和天皇が崩御し、翌８日から「平成」に改元されたので、結果として私の学年の成人式が「昭和最後の成人式」ということになります。厳密にはその時点で私は１９歳でしたが、同学年の仲間と共に地元で成人式に出席しました。
前日の１４日に会社での成人式（典型的なサービス業なので、祝日に当たる「成人の日」には出勤することも考慮し、会社でのそれは前日に行いますが、実際には前の記事で書いた「正月代休」を消化させる形で遠方であっても帰省させることが多いです）を終えた後、高速バスで実家へ戻りました。
実家へ戻ったのはお昼過ぎでしたので、着いてそこそこにご飯を食べたのですが、なんとまあ「赤飯」を炊いて待っていました。しかも、普通ならば「小豆」入りなのですが、そうではなく、私や弟の好きな「甘納豆（小豆には変わりありませんが）」入りの甘い赤飯でした。
それを食べ終えると、両親がどことなく深刻な顔をしています。そして「お前に、残念な知らせがある」と切り出しました。当時、９０歳になる父方の祖母が１年前からトイレへ行く以外は殆ど寝たきりになっていたので、私は「そのこと」かと思っていました（こっちへ帰ることは分かっていたので伏せていたということ）。
そして「○○君が亡くなったよ」と言ったのです。「えっ」と言ったきり、私は絶句しました。
彼は幼稚園の時からの幼なじみで、小学校こそ別々でしたが、中学・高校と同じ学校に通っていました。しかも、幼稚園当時（年長）で身長が１３０ｃｍとずば抜けて高く、体つきもガッシリしていて頼れる存在でした。
中学に入ってもその体格は変わらず、校則で定められた裾幅（２０～２２ｃｍ）のズボンが穿けず特別にボンタンが許可されたりしていたほどです。そんな体格ですから「高校へ行ったらラグビー部にでも入ればいいじゃん（いいじゃない）？」と言ったら、彼は「絶対にやりてぇ（やりたい）」と言い、実際、高校に合格するやいなや入学式の前にラグビー部に入部していました（中学にはその当時ラグビー部はありませんでした）。
そんな彼が成人式を目前にして急死したなんて全く信じられません。しかも、私が帰ったその日が彼の告別式だったのです。新聞にある「おくやみ欄」を見てもまだ信じられません。取り敢えず、ネクタイだけ黒に変えて親父の運転で彼の自宅へ向かいました。私が着いた時には出棺も済み、初七日の準備の最中でしたが（この当時は葬祭場がなく、殆どが自宅葬）、彼の両親は「まあ、わざわざ来て下さったの」と言い、後祭壇へ私を通しました。
そこには、高校にいた頃と全く変わらない彼の遺影と真新しい白木の位牌があります。それでもまだ信じられません。両親も、私と彼が仲が良かったこと等は知っていますが、気落ちしているというよりも、私と同様、死んでしまったことが信じられない様子でした。
死因は急性心不全で、大学の寮で発作が起こったみたいです。それまで既往症もなかったので解剖したそうです。
そんな訳で翌日の成人式に於いては、中学の仲間の話題は専ら彼の死についてでした。その晩は、高校時代の部活の仲間と深夜２時まで飲み明かしましたが、それでも彼のことが頭から離れませんでした（勿論、部こそ違いますが彼の話題も出ました）。この部活の仲間とは、厄年を機に、毎月一度、地元在住者のみ集まっています。
その後の私ですが、命日には、どんなに寒くても毎年欠かさず彼のお墓参りをしてきました（雪が降ったことはありませんでした）。十三回忌を機に一区切りつけようと、引っ越した自宅へ菓子折を持ってお邪魔したのですが、母親は１２年の間に非常に老け込んでしまい、見ていてかわいそうな気がしました。父親は、彼の死から数年後に同じ心臓発作で亡くなってしまい、当時は彼にそっくりな弟と２人で暮らしていました。
祝日法の改正によって、何年かに１度はこの日が成人の日になるわけですが、その彼の命日が、今日「１月１１日」なのです。
また、祖母にも顔を見せに行きましたが、意識は殆どありませんでした。結果としてそれが最後になってしまい、２月に永眠しました。それでも、「成人式まで生きていてくれて良かった」と思う部分もあります。
この様に、私にとって「成人式の思い出」というと、楽しい思い出は殆どないと言ってもいいです。毎年この時期が来ると彼や祖母のことを思い出さずにはいられないですし、おそらく、今後もそうでしょう。
成人式の案内状は受け取った記憶がありません。
一応住民票は移してあったんですけど、何も届きませんでした。
なので何の感慨も記憶も残っていません。
身近な同年代の人の死は、深く心に刻まれますね。
それが若いのであれば尚更かも知れません。
記憶され思われているのが一番の供養だと思っています。
by moonrabbit (2010-01-12 07:19)
札幌の場合は一年早く、全員19歳で成人式に出席します。ｗ
北海道の地方の市町村では、帰省にあわせて、お正月に行うところも多いようです。ｗ (＾ω＾)ｂ
幼なじみの彼は非常に残念でしたね。同じ思い出を共有している仲間の死は辛いものがあります。 (´・ω・｀)
彼の分も精一杯生きて下さい。 (´∀｀)ノ
(＾ー＾)ﾉｼ
by モッズパンツ (2010-01-12 07:59)
＞ＪＪさん
nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-01-12 20:44)
＞moonrabbitさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。
私の場合、記事にもあるようにそういう話を聞いていたので、人生一度の成人式に出られないのでは困るということで、両親に確認してもらいました。
実は、その成人式の2ヶ月くらい前にも別の同級生が交通事故死しています。
ですが、私の幼なじみの方が、亡くなったのが成人式の僅か4日前で前日が葬儀ですから、多くの同級生にとってはこちらの方のインパクトが大きいのではないでしょうか。
なお、墓前には、おそらく高校の同級生が供えたのだと思いますが、お酒やたばこもあったみたいです（母親の話より）。
でも、命日をハッキリ覚えている人はさほど多くないのでは？と思います。
by 北海道大好き人間 (2010-01-12 20:52)
＞モッズパンツさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。
＞札幌の場合は一年早く、全員19歳で成人式に出席します。ｗ
ホントですか？
＞北海道の地方の市町村では、帰省にあわせて、お正月に行うところも多いようです。
ウチの県でも、過疎化が激しい村では正月に成人式を行うところもあります。
幼なじみの死については、moonrabbitさん宛のコメントと被りますが、ラグビー部の仲間達のショックも大きかったみたいです。しかも、別の高校へ行ってラグビーをした仲間までにも広がっています。
＞彼の分も精一杯生きて下さい。
そのつもりでいます。上に書いたラグビー部の仲間もそう思っていることでしょう。
今年の新成人の生まれた時のことを考えてみたら、彼が生きていた時間よりも、亡くなってしまってからの時間が上回っています。
by 北海道大好き人間 (2010-01-12 21:00)
＞masaさん
nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-01-12 21:01)
私も成人式が札幌でした。１９歳でしたね。その後、実家に住民票を移せば２度成人式でしたが、興味なかったし。
by ナカムラ (2010-01-12 21:39)
＞ナカムラさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。
まさか？と思っていましたが、ホントなんですね。
と言うことは、私の場合「18歳」で成人式ということになるのでしょうか。
どちらにしても飲酒・喫煙はできませんね。
by 北海道大好き人間 (2010-01-12 21:51)
＞kaika-tさん
nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-01-12 23:29)