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2010年のスポーツを振り返って バンクーバーオリンピック編 [スポーツ]

この記事では、2月12日~28日からカナダ・バンクーバーで開催されたバンクーバーオリンピックについて書きます。

開会式前には、ある選手の服装や記者会見での対応が問題になりましたが、あれは「甘やかし」の典型だと思います。
確かに国内ではトップレベルでしょうが、世界にはそれ以上の選手がいっぱいいます。ましてや、普段は興味を持たない一般国民も注目しているのですから、上層部は徹底的に指導し、それが守れなければ出場させないくらいの強硬姿勢を示すべきだったと思います。

開会式は生中継で見ていましたが、夏季大会と違って間延びせずコンパクトにまとめられていてよかったと思います。
グルジアのリュージュ選手が練習中に事故死したのは残念でしたが、冬季競技は高速系の種目が多いので、安全面については慎重すぎるくらい慎重な対策をとるべきだと思います。

以下、主な競技について書きますが、こちらのリンクに掲載されている種目順に書きます(敬称略)。
なお、素人的観点による「たら・れば」の結果論になると思いますが、その点はご容赦願います。
スキージャンプについては、長野オリンピック以降、日本選手にとっては不利になりがちなルール改正が行われましたが、それにしても、世界との差が縮まるどころか、逆に開いている様な気がしました。
若手(有力選手)を長期間海外遠征させて、外国の技術を学ぶべきだと思います。

フリースタイル・モーグルの上村愛子は、昨シーズンに新技を発表したみたいですが、その結果が4位だったと思います。要するに、「相手に研究された結果」だと思います。
これが、オリンピックの舞台で「一発勝負」を賭けていれば、また違った結果になっていたかも知れません。


スピードスケートは、女子団体パシュートについてのみ書きます。
決勝戦は生放送で見ていたのですが、その前に私のところで起こった「アクシデント」で、いやな予感がしました。
この日の朝(中継前)、宿泊客11人の朝食を出しました。そのお皿が運び膳にピッタリ収まるのですが(4・3・4の配置)、その11個目の皿を乗せる時に、私の手元からこぼれ落ちてしまったのです。
それとトリノの3位決定戦で転倒してメダルを逃したことを気にしながら中継を見ました。
結果は、私の不安が的中し、100分の3秒差(速報値・公式には100分の2秒差)で銀メダルになってしまいました。
それでも田畑真紀は、23日に出産した岡崎朋美と共に練習した仲(富士急行=田畑は現在、ダイチに所属)ですし、私もリンクで滑っている様子を見ていますから、よく頑張った(惜しかったという気持ちも半々)と思います。


フィギュアスケートは、女子シングルを中心に書きます。
大会前から、韓国キム・ヨナ浅田真央のライバル関係が「過熱」とも言えるほど話題になりましたが、あれでは両者共にかわいそうだと思いました。
ですから、両者共に、競技直前まで余所にいたのだと思います。

私はフリーの後半からしか見ていませんが、8位に入賞した鈴木明子が日本選手の中では一番のびのびと滑っていた気がします。やはり、5位に入賞した安藤美姫と浅田の「陰」に隠れてダークホース的な存在だったことが幸いしたのでしょうか。
安藤は、トリノほどではなかったにしても、どこかに硬さが見られました。浅田は、結局、最後までプレッシャーに押しつぶされるギリギリの状態だった気がします。キム・ヨナは、自信に満ちあふれていたみたいです。

結果は、キム・ヨナが驚異的なスコアで金メダルを獲得したわけですが、その競技よりもむしろ、表彰式の方が印象に残っています。
一つは、胸に下げられた銀メダルを悔しそうに見つめる浅田の表情です。
もう一つは、ウイニングランにおいて、キム・ヨナが羽織った太極旗(韓国の国旗)が、浅田の羽織った日章旗や、銅メダルを獲得したカナダのジョアニー・ロシェットが羽織ったカナダの国旗と比べて明らかに小さく、「私が金メダルなのに、なんで私の国旗だけが小さいの!」的な表情をしていたことです。

さて、男子シングルやペア、アイスダンスについても共通するのですが、もう一つ、簡単にメダル(種目)を増やすことができます。
それが「国別対抗戦」です。
これは、後半のフリー演技(FS)に複数人(組)出場した国の選手について、前半のショートプログラム(SP)との合計分をその出場人数分(組分)で割り、その平均点でメダルを争うというものです。
なお、公正を期すために、メダル獲得による加点(ボーナス)を含む、順位による加点・減点(順位点)は一切行わないものとします。
(シングルの場合)オリンピックの出場枠は最大で3ですから、「分母(メダリストの数)」が3になる場合もあれば、2の場合もあります。

今回の女子シングルを例に挙げます。
韓国では、金メダルのキム・ヨナ以外に、カク・ミンジョンという選手が出場、FSに進出しています。
キム・ヨナとカク・ミンジョンの得点と両者の平均点です。
キム・ヨナ       (SP 78.50  FS 150.06  TOTAL 228.56)
カク・ミンジョン        (SP 53.16  FS 102.37  TOTAL 155.53)
合計 308.49  平均点 192.045

浅田真央と安藤美姫と鈴木明子の得点と3者の平均点です。
浅田真央       (SP 73.78  FS 131.72  TOTAL 205.50)
安藤美姫       (SP 64.76  FS 124.10  TOTAL 188.86)
鈴木明子       (SP 61.02  FS 120.42  TOTAL 181.44)
合計 575.80  平均点 191.933
キム・ヨナの得点のウェイトが大きいので、これでも日本は追い越せませんが、逆に言えば「大砲一発」では決して勝てないということにもなります。
上の得点表のリンク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E7%AB%B6%E6%8A%80%E5%A5%B3%E5%AD%90%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB#.E4.B8.80.E8.A6.A7

一方男子の場合、リンクだけ貼っておきますが、僅差で日本がアメリカを上回って金メダルになります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E7%AB%B6%E6%8A%80%E7%94%B7%E5%AD%90%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB#.E4.B8.80.E8.A6.A7

難しい計算式もいらないですし、出場する選手にとっても、いい意味で緊張感を保てますから、是非とも導入して欲しいものです。
なお、世界陸上のマラソン競技では、これに似た制度が導入されています(各国の上位3人の合計タイムで順位を決定)。

カーリング(女子のみ)は、生で見られる限り見ていましたが、やはり「経験の差」を感じさせられました。
他の競技でもそうですが、一般社会に於いても、日本の女性は結婚・出産で第一線を退いてしまいますと、復帰するのが非常に難しい(というか不可能)のが現状です。
ですが、外国の選手を見ますと、決して「若い」とは言えない選手が、親子ほど年が離れた選手と共にストーンを投げていました。
そういう意味で、この秋に小笠原(旧姓:小野寺)歩船山(旧姓:林)弓枝が復帰したのはうれしいことです。
ですがその一方で、あちこちにカーリングチームが結成され、戦力が散り散りになってしまう懸念があります。
カーリングという競技は、他の団体競技と違って、あっちのチームから何人、こっちのチームから何人という「寄り合い所帯」では、選手同士の意思の疎通が形成しにくいのです。
他の競技もそうですし、外国はすでにそうしているのでしょうけれど、最初から「チームジャパン」として選手を集め、海外を転戦して技術を磨くべきだと思います。
勿論、そのための資金が足りないことはわかっていますが、このままですと、2014年ソチオリンピックの出場権を獲得するのは厳しくなっていくと思います。


私がオリンピックで楽しみにしていることがあります。
それは、「他局のアナウンサーの実況が聞ける」ということです。
クレジットにも、アナウンサー名が出てきますが、どこの放送局の所属かまでは、音声にも字幕にも出てきません。それでも、普段は絶対に聞くことができないので、(夏季大会も含めて)2年に一度、これを楽しみにしています。


さて、バンクーバーオリンピックでは、いくつかのジンクスが残りました。
一つは「北米地区の冬季大会で、日本に金メダルがもたらされなかった」ことです。
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参考までに、過去の冬季大会における日本人金メダリスト名を掲げます。
1972年 札幌(日本=アジア) 
笠谷幸生 スキージャンプ70m級
(銀メダルが金野昭次、銅メダルが青地清二と日本が表彰台を独占、後に「日の丸飛行隊」と呼ばれる)

1992年 アルベールビル(フランス=ヨーロッパ)
日本(三ヶ田礼一河野孝典荻原健司) スキーノルディック複合団体

1994年 リレハンメル(ノルウェー=ヨーロッパ)
日本(阿部雅司・河野孝典・荻原健司) スキーノルディック複合団体=前回に続いて連覇

1998年 長野(日本=アジア)
清水宏保 スピードスケート男子500m=スピードスケート初の金メダル
里谷多英 フリースタイルスキー・女子モーグル=女子では冬季大会史上初
船木和喜 スキージャンプラージヒル
日本(岡部孝信斉藤浩哉原田雅彦・船木和喜) スキージャンプラージヒル団体
西谷岳文 ショートトラックスピードスケート男子500m

2006年 トリノ(イタリア=ヨーロッパ)
荒川静香 フィギュアスケート女子シングル=この大会における日本唯一のメダル
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冬季大会における日本人銀メダリスト名から、北米地区の冬季大会の銀メダリストのみ掲げます。
1980年 レークプラシッド(アメリカ)
八木弘和 スキージャンプ70m級

2002年 ソルトレークシティー(アメリカ)
清水宏保 スピードスケート男子500m

2010年 バンクーバー(カナダ)
長島圭一郎 スピードスケート男子500m
浅田真央 フィギュアスケート女子シングル
日本(田畑真紀・穂積雅子小平奈緒) スピードスケート団体パシュート女子
(この他に補欠として髙木美帆が参加)

次に北米地区で冬季大会が開かれるのは、早くて2022年ですが(2018年大会には立候補していません)、その時に「悲願」が達成されるのでしょうか?


もう一つのジンクスは、いくつかのメディアでも報じられていましたが、「フィギュアスケート女子シングルにおいて、フリーでは青系のコスチュームを着た選手が金メダルを獲得した」ことです。
2002年ソルトレークシティー以前はわかりませんが、2006年トリノの荒川静香も今年のキム・ヨナも、フリーでは青系のコスチュームで滑って金メダルを獲得しました。しかもいずれも、自己最高得点での金メダルでした。

他にもジンクスがあるのでしょうが、2014年ソチオリンピック以降にこれがどうなっているのか、興味があります。


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リック

今年はコメント・ナイスをたくさんいただき、ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします^^
良いお年をお迎え下さい。
by リック (2010-12-29 06:02) 

david

いつもさまざまな出来事をよくまとめていらっしゃいますね。
僕なんかぜんぶ右から左に忘れてしまうので困ります。
by david (2010-12-29 10:23) 

北海道大好き人間

>リックさん
nice! とコメント、どうも有難うございます。

こちらこそ、楽しいお孫さんの記事を有難うございました。
どうぞ、よいお年をお迎えください。

by 北海道大好き人間 (2010-12-29 22:46) 

北海道大好き人間

>david さん
nice! とコメント、どうも有難うございます。

興味があることは、この本文で色が変わっているリンク先「ウィキペディア」で調べ、お気に入りに登録することが多いです。
あとは検索機能を使って調べます。

by 北海道大好き人間 (2010-12-29 22:53) 

北海道大好き人間

>xml_xsl さん
nice! どうも有難うございます。

by 北海道大好き人間 (2010-12-29 22:54) 

モッズパンツ

バンクーバーオリンピックからまだ一年たっていないのですね。遠い昔のことのようです。今シーズン不調だった浅田真央ちゃんが、また復活してくれてうれしいです。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2010-12-29 23:22) 

HAZUMI

スポーツは、いい♪
スポーツ選手にやさしい国になってほしいいなあ~
by HAZUMI (2010-12-30 01:03) 

kaika-t

いつも温かいコメントありがとうございます。^^
私事ですが、ブログを閉鎖することに致しました。
記事を拝見させて頂いたり、コメントを頂いたりして、とても励みになりました。お世話になりました。

ホワイトイルミネーションの写真も綺麗でしたし、なんといっても2010年のスポーツを振り返ってはボリュームがありますね。これからもお体にお気を付けて頑張って下さいね。^^

新しい年がよい年でありますよう
ご健康とご多幸をお祈り致します。
by kaika-t (2010-12-30 20:43) 

北海道大好き人間

>モッズパンツさん
nice! とコメント、どうも有難うございます。

年末を「軸」にした場合、冬季五輪は10ヶ月くらい前のことですから、「今年のこと」と言われてもピンとこないのは確かです。
浅田選手は、迷ったり悩む時にはムリをせず、ソチで借りを返してくれればと思います。

by 北海道大好き人間 (2010-12-31 01:57) 

北海道大好き人間

>HAZUMI さん
nice! とコメント、どうも有難うございます。

国家予算も、スポーツ振興にもっと手厚くしてくれればと思います。
競技によっては、遠征費も自腹という人もいっぱいいますからね。

by 北海道大好き人間 (2010-12-31 01:59) 

北海道大好き人間

>kaika-t さん
nice! とコメント、どうも有難うございます。

今年のスポーツ記事は、あと2本書くべく、徹夜を覚悟の上で、これから一気に書き込みたいですが、生活リズムが狂っているのでちょっと大変です。

ブログ閉鎖の件については、あなたの最後の記事にコメントを入れておきました。

by 北海道大好き人間 (2010-12-31 02:02) 

北海道大好き人間

>moonrabbit さん
nice! どうも有難うございます。

by 北海道大好き人間 (2011-01-02 16:25) 

北海道大好き人間

>あんず-M さん
nice! どうも有難うございます。

by 北海道大好き人間 (2011-01-04 00:22) 

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