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2010年 吉田の火祭り&すすき祭り [お祭り]

1ヶ月遅れになりましたが、今年の「吉田の火祭り」の様子を撮影してきましたので、UPします。
我が家の「夏」の終わり (吉田の火祭り準備編 その2)では横たわっていた「ミニ松明」を立てると(私が立てたわけではありません、念のため)、この大きさ(高さ)になります。

一連の仕事が片付いた8:00過ぎに、金鳥居(かなどりい)の松明(今年は薪木を井桁に積み上げた「井桁松明」、勿論、銀行の松明もあります)を撮影しました。


今年は、お盆過ぎに松明が置かれてから火祭り当日まで全く雨が降らず、おまけに記録的猛暑だったので、松明の木はカラカラに乾いています。そんなわけで、例年以上に燃えるのが早く、消防団として詰めている同級生も「こんなに早く燃えたのは初めてだ」と言っていました。
御旅所の入口の様子です。


御旅所へ明神御輿が入ってくる時に引きちぎられた注連縄です。

さて、今年は27日の「すすき祭り」当日には宿泊客が1組しかいなかったので、それは両親に任せて私は取材(撮影)に行ってきました。
ですが、出かけてすぐに、下の写真の様な激しい雨(雷雨)が降ってきました。[雷][雷][雷]
その中でも、御輿を担ぐ勢子や神社の関係者は、雨カッパも着ずずぶ濡れになりながら街を練り歩いていました(因みにカメラを構えている私に向かって坂を上っています)。

金鳥居で一旦御輿を下ろし、神事(金鳥居祭)が執り行われました。
私は14年以上参拝に行っているので宮司も権禰宜も顔見知りなのですが、その人達も「金鳥居でこんなに雨に降られたのは近年ないなあ」と言っていました。
神社関係者の装束は雨をたっぷり含んでいて、見るからに動きにくそうです。
私も、雨が降るのを見越してズボンの裾をまくり上げ素足にサンダル履きで御輿を追いかけたのですが、それで正解でした。雨の降り始めは、まるで「お湯」の中を歩いているみたいでしたよ。



金鳥居祭の後、御輿は二手に分かれます。富士山型の御影御輿(以下「御影」)は、富士急行線の富士吉田駅を目指します。
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2010/09/18/3.html
駅前には、「すすき松明」が立てられています。
 

駅前の短くて急な坂道を御影がやってきました。

ここで、一旦休憩ですが、その際に御輿を3回地面にたたきつけます。
これは静止画像では迫力が伝わらないので、実際に御覧いただきたいです。


その休憩時間の間に太鼓を叩く人がいます。この太鼓は「上げ太鼓」と言い、二人一組で(音楽で言うところの)主旋律と対旋律を打ち分けます。この太鼓を叩く「ばち」も、毎年世話人が新調しています。
 

一方の明神御輿(以下「明神」)では、今年の祭典世話人(先頭の白い浴衣を着ている人)が担がせてもらっています。この頃には雨も上がりました。


駅前で休憩していた御影と明神が合流します。
去年の記事で「御輿渡御(とぎょ)の道中では必ず明神が前になり、御影(冨士浅間神社)は後からついてきます。」と書いていますが、その様子です(子供御輿も同じです)。

国道138号線(山中湖畔から御殿場を経由して小田原まで)と国道139号線(富士市からここを経由して東京の奥多摩湖まで)の分岐点でまた休憩します。ここでも御影を3回地面にたたきつけます。 これは休憩の時には必ず行われます。

ここで、今年の祭典世話人が記念撮影をします。
本来ならば顔は修正すべきなのでしょうけれど、御覧の通り誇らしげな顔をしていますし、次の写真にある様にポスターに使われることもあるので、修正はしません。
この後には、奥さんや子供も一緒になって記念撮影をします。


今年の火祭りのポスターです。写っているのは去年の祭典世話人(下町のみ)です。
世話人の格好は毎年、浴衣の色や柄が違うだけで、その他は同じです。


さて御影ですが、前後がない様に見えても実際には前と後ろがあります。
その違いは、山の頂上付近が前に向かってわずかに傾いているのです。
それが分かる様に、左右から撮影しました。
上が左側(写真右手が正面)からの、下が右側(写真左手が正面)からの撮影です。

去年も書きました様に、この御影の担ぎ棒は、毎年新調されます。
ですが、地面にたたきつける荒行故、いつヒビが入るか分かりません。
そのために予備の担ぎ棒も用意されていて、いざという時にはすぐに運べる様にトラックにくくりつけて準備しています。
担ぎ棒がどのくらい太いかは、世話人が写っている写真から推測なさって下さい。


世話人が記念撮影した場所から神社まではもうすぐです(写真をクリックすると撮影場所が出ますので、それでおわかりいただけると思います)。
ですが、まっすぐに神社へは戻りません。神社の脇をすり抜け、下の写真(2枚)にある石を目指します。
この石は、馬に乗る時に使う「鞍」に似ていることから「御鞍石(みくらいし)」と言います。
この石と神社の関係は聞きそびれましたが、ここに明神を安置してまた神事(御鞍石祭)が執り行われます。



実際に明神が安置され、祭事が執り行われている様子です。
すでにとっぷりと日は暮れていますし、地元CATVの撮影用ライト以外の照明がないので、撮影するのが難しいです。



これと並行する形で、150m程神社寄りにある「上松(あげまつ)」でも祝詞が読み上げられます。
なお、上松は後日の撮影です。



ここでの神事が終わると、世話人が提灯を振って御鞍石に安置されている明神に出発の合図を送ります。
まず明神が、下の写真右側の「還幸(かんこう)門」から神社の境内へ戻ってきます。
因みに左手奥にわずかに見える鳥居が、富士山吉田口登山道の起点になります。

還幸門を抜けると、時計回りに高天原(2枚目の写真は、還幸門から勢子の視線で撮影)を7周します。



4周目が終わると御影が合流し、こちらは3周します。この時間になるともう、デジカメで撮影しようにも水銀灯と篝火だけでは暗くて露出設定が難しい上に、被写体は動き回るので撮影していません。

御輿の後ろを一般市民がすすきを手に追いかけるのですが、そのすすき、たったこれだけの物が1本300円[exclamation×2]もするのです。
神社の境内で婦人会の人が売っているのですが、いくら何でもそれは「高い」と思うので私は買いませんでした。100円であれば買ってもいいかと思いますが。


御輿が諏訪神社に納められると、勢子は自宅(あるいは打ち上げの会場)へ帰ります。
それを世話人が送り出します(修正しなくてもいい具合に顔が隠れてくれました)。
この時の世話人の声はガラガラ、顔は感極まった涙と汗でクシャクシャです。

それが終わると、木花開耶姫命の御魂が浅間神社の本殿へ還ります。
火祭り当日、御魂が御輿に乗り移る時には勢子は周りにいるのですから、還る時にも勢子は見届けるべきではないでしょうか。
下の写真は、フラッシュ撮影禁止の中、最後にフラッシュを焚いて撮影しました。
この時にはブレーカーを落として境内全ての照明を消しているので、光源は篝火とこの幕の中で照らす提灯(または懐中電灯)だけで、あとは文字通り真っ暗です。

今年のすすき祭りは、激しい雷雨に降られたので、明神と担ぎ棒を結ぶ縄(写真左側、紫の布でくるまれている)もびしょ濡れです。
当然、そのまましまっておくと腐って切れてしまうので、一週間ほど神楽殿の上で天日干しされていました。

今年の松明の奉納者です。不景気といえども、去年よりは多かったです。
一番下の段で名字が消してあるのは、先に写真を貼った今年の祭典世話人の名前です。

私にとっては「見る(撮影する)だけのお祭り」ですが、この地域に住んでいる人の多くにとっては「参加するお祭り」が今年も終わりました。
なお、来年のすすき祭りは土曜日になるので、おそらく取材(撮影)は出来ないと思います。
まあ、内容的には毎年同じことをするのですが。

以上、去年は撮影したくてもできなかったすすき祭りを中心に、今年の吉田の火祭りを振り返ってみました。


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あんず-M

皆様雨の中お疲れさまです。参加するにも300円のすすきは高いですね。でもその分ご利益があるんでしょうね。^^
by あんず-M (2010-09-24 23:28) 

北海道大好き人間

>あんず-M さん
早速のnice!とコメント、どうも有難うございます。

私は傘をさして、ズボンは捲り上げていましたが、膝まで濡れました。
でも、その後は晴れたのですが、今年は涼しくなるのではなく暑さが残っていたので、神社へ戻る頃には乾いていました。
子供達はこの後、金鳥居の近くにある鉄工所の車庫で着替えていました。

写真では分かりにくいでしょうが、すすきには、御幣と小さなお守りみたいな物がついています。
これならば、初詣で買う破魔矢の方がずっといいです。
すすきなんて、この辺の空き地にいくらでも生えていて、都会のお月見みたいに「買う(仕入れる)」わけではないのですから、100円でも元は取れると思います。
by 北海道大好き人間 (2010-09-24 23:46) 

hrd

今年も火祭り行きませんでした^^;
富士山は昨日初冠雪を記録しましたね。
by hrd (2010-09-26 14:10) 

旅爺さん

この様に賑やかな祭りは我が部落には無いので見たいですね。
by 旅爺さん (2010-09-26 14:19) 

北海道大好き人間

>ケイさん
nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-26 21:34) 

北海道大好き人間

>xml_xsl さん
nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-26 21:35) 

北海道大好き人間

>木村さん
初めまして、nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-26 21:36) 

北海道大好き人間

>hrd さん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

来年は是非、火祭りにお越し下さい。

富士山の初冠雪は、私も撮影しました。
まもなく100,000HITになりますので、母校の運動会の記事に載せる形でそれを公開します。
by 北海道大好き人間 (2010-09-26 21:39) 

北海道大好き人間

>旅爺さん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

hrd さん宛のレスとかぶりますが、1度はお越しいただければと思います。
爺さんのお住まいの場所であれば、火祭りの晩に泊まって、すすき祭りを見て帰ることも可能だと思います。
by 北海道大好き人間 (2010-09-26 21:42) 

北海道大好き人間

>ヤッペママさん
初めまして、nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-26 21:44) 

北海道大好き人間

>くらいふさん
nice!、どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-26 23:33) 

モッズパンツ

猛暑の中、火まつりが行われたのですねー。気温と火の熱で、何だかとんでもなく熱そうですね。w (^ω^)b
お神輿はけっこう重そうですね。担ぎ手は実際大変そうですね。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2010-09-27 07:05) 

北海道大好き人間

>PENGUINさん
初めまして、nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-27 12:57) 

北海道大好き人間

>ponchi さん
nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-27 12:58) 

北海道大好き人間

>モッズパンツさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

さすがに熱帯夜にはならないのですが、気温の「暑さ」と炎の「熱さ」の中、人々は通りを歩きます。
それ故、出店の冷たい飲料(アルコール入りもソフトドリンクも含めて)は飛ぶ様な売れ行きでした。

去年の記事でも書いていますが、御輿は、御影は1tはあります。
それを担ぐだけでなく地面にたたきつける衝撃にも耐えうる様に、担ぎ棒は他の御輿と比べて非常に太いです。
ですので、担ぎ手も「肩に載せて、手を添える」といった格好になります。
by 北海道大好き人間 (2010-09-27 13:04) 

北海道大好き人間

>norimi さん
nice!、どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-27 21:10) 

北海道大好き人間

>wing_14 さん
初めまして。nice!、どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2010-09-27 22:54) 

HAZUMI

火祭り、すごいですね。
by HAZUMI (2010-09-28 11:42) 

北海道大好き人間

>HAZUMI さん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

すごいでしょ(笑)?
まあ、今回取材した方は「地域のお祭り」的な感じですが、1ヶ月前からこの日のために準備をしたりしているのです。
by 北海道大好き人間 (2010-09-28 12:18) 

optimist

凄い火柱ですね^^;
祭りと言えば、先日私の高校時代の友人から、大原の裸祭りの落雷を目撃したと聞きました。
火祭りは、雨だけ(といってもビショビショですが)だったようですが、雷は怖いですよね~。
by optimist (2010-09-29 23:42) 

北海道大好き人間

>optimist さん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

種明かしをしますと、この炎、シャッタースピードを落とすか少し開放してから切れば勢いよく燃えている様に見えるのです(特にフィルム式カメラの場合)。

すすき祭りでは、子供御輿の写真から1kmくらいの場所に落雷しました。火祭りでそんな雷が落ちたらと思うと怖いですね。
by 北海道大好き人間 (2010-09-30 00:42) 

kaika-t

こんにちは。^^
>「吉田の火祭り」
すごくよく燃えて、綺麗ですね。
>すすき祭り
激しい雨もものともせず凄いですね。^^
>まるで「お湯」の中を歩いているみたいでしたよ
凄いですね……。
どの写真もいいですね。いろんな様子が撮られていて見てて楽しいです。
太鼓を叩く様子等も良かったですし、トラックにくくりつけた担ぎ棒というのも面白かったです。
>1本300円
確かに一本三百円は高いですよね。^^;
by kaika-t (2010-10-01 13:07) 

北海道大好き人間

>kaika-t さん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

松明の炎は、写真で見るといかにも勢いよく燃えている様に見えますが、実際はそうでもありません。
ただ、今年は対雄松の木が乾燥しきっていたので、例年よりは勢いよく燃えていたと思います。

すすき祭りの最初の方は、「もうやけくそ」みたいな感じで御輿を担いでいました。カッパを着るわけにも行きませんし、傘もさせないですからね。

夕立の降り始めがお湯みたいにカンジタのは初めての気がします。
今夏は、初めてサンダルという物を買ってそれを履き通したせいかもしれませんが。

太鼓を叩く様子や御輿を地面にたたきつける様子は、実際に見ていただければ、より一層迫力が伝わると思います。

すすきのお飾りは、なまじっかお守りなんてつけるから高くなってしまうのです。売る時も「縁起物ですから」と言ってはいますが、そこら辺の草むらに生えているすすきであることは分かっていますから、買う気にはなりません。
by 北海道大好き人間 (2010-10-01 15:31) 

リック

コメントありがとうございました、そしてゴメンナサイ^^;

北海道在住なのかと、勝手に想像していて、間違ったコメ返しをしてしまいました、おっちょこちょいで申し訳ありませんでした。

これからも寄らせていただきます、よろしくお願いいたします。
by リック (2010-10-10 05:59) 

北海道大好き人間

>リックさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

>間違ったコメ返しをしてしまいました
いえいえ、どういたしまして。
最近は、東京よりも札幌へ遊びに行く方が楽しかったりします。
今後もよろしくお願いいたします。
by 北海道大好き人間 (2010-10-10 16:12) 

北海道大好き人間

>cfp さん
初めまして。nice!、どうも有難うございます。

by 北海道大好き人間 (2010-10-17 01:43) 

ロス

世話人さんの皆さん、いい顔つきされていますよね!
大人になっても信頼関係のある中で一つのことに夢中になれるなんて、しかも、伝統を守りながら、地域の人達と一丸となれるなんて
素晴らしいことですね。!!

by ロス (2010-10-19 15:28) 

北海道大好き人間

>ロスさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

世話人は、「この日のために」仕事も休んで準備をしてきたわけですから、達成感がにじみ出ています。
また、御輿を担ぐ勢子にも世話人経験者が多いので、いろいろと協力しています。

by 北海道大好き人間 (2010-10-19 16:26) 

北海道大好き人間

>ikeda さん
nice! どうも有難うございます。

by 北海道大好き人間 (2010-11-14 21:26) 

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