SSブログ

我が家の「夏」の終わり (吉田の火祭り当日編) [お祭り]

今回は、祭りに担がれる御輿と火祭り当日の様子を書きます。

火祭りに担がれる御輿は2種類あります。写真はいずれも祭りの前に撮影したものです。
一つは、何処のお祭りでも見られる宮型の御輿で、「明神(みょうじん)御輿=以下『明神』」と言います。
御旅所の入口に張られた注連縄(若干の切り込みが入れてあります)は、この御輿の上部にある鳳凰に引っかけて引き千切ります。
右隣にあるのは、子供用の明神御輿です。

そして、いかにもこの神社らしい御輿が、富士山をかたどった「冨士山御影(みかげ)御輿=以下『御影』」です。地元では「おやまさん」と呼ぶこともあります。
手前にある黒い銘板には、2001年から去年までの世話人の名前が刻まれています。この御輿は去年新調されたのですが、要するに、この人達の寄付で新調されたということです。
御輿は、木で型を作った上に布を巻き付け、さらに漆で塗り固めてそれを繰り返しています。後で写真を貼りますが、子供用にも御影御輿がありますが、そちらも同じ造りです。

そして、26日の朝早く、両者に担ぎ棒が取り付けられます。明神は黒塗りの物ですが、御影は桧の丸太を削りだした物で、毎年新しい物を使います。しかも、木曽地方から取り寄せています。
これは、御影の場合、担ぎ棒と御輿本体を合わせて1tを超える上に、所々で地面に3回たたきつけるという荒行を行うので、万が一のことを考えての結果です。使い終わった担ぎ棒がどうなるのかまでは私も知りませんが、有効に利用されていると思います。同様の理由で、御影本体も10年くらいで作り替えています。
そういうことや、御影には冨士浅間神社の祭神である木花開耶姫命(このはなさくやひめ)の御魂(おたましい)が乗り移るので、女性は御影を担いだり触ったり出来ません。男性でも、御輿をたたきつける危険さ故、余所者は担げず、地元の有志が独占しています。
なお、明神には、境内にあり、普段これが安置されている諏訪神社の祭神の御魂が乗り移りますが、こちらは女性でも余所者でも担げます。
また、この祭りでは、明神(諏訪神社)が格上とされていますので、御輿渡御(とぎょ)の道中では必ず明神が前になり、御影(冨士浅間神社)は後からついてきます。横綱の土俵入りでは、格下が「露払い」として前に立ちますが、ここではその逆です。

当日は、午後3時をまわった頃に御魂が移されて御輿が御旅所へ向けて出発するのですが、私の場合、ちょうどその時間帯に宿泊客の夕食の準備がありますので、それらの写真を撮ることが出来ません。[たらーっ(汗)]
ましてや、この日の夕食だけは、松明の点火(夕方6:30過ぎ)を見てもらうために、いつもより早い時間(5:00~)なので、どうしても席を外せません。

宿泊客の夕食の片付けや翌朝の準備が終わった後に、私も通りへ行ってきました。この写真の撮影地点は、毎年の様にポスターにもなっている場所でして、点火直後にはたくさんのカメラマンが撮影しています。
松明の向こうにボンヤリと写っているのは、この街のシンボル「金鳥居(かなどりい)」です。火祭りの時くらいは、両側に水銀灯でも設置してライトアップしてくれればと思います。

最初の記事で書いた、丸太が芯棒になっているのがよく分かる様子です。

時間が経ったり上から火が落ちてくると、今度は下から燃え始めて、木々を束ねている荒縄が焼き切れて、松明が崩れます。それでも、事前に消防団員(万が一のことや後片付けがあるので全員詰めています)や世話人が松明から離れる様に指示しますので、火傷をしたという話は聞いたことがありません。
また、この火が沿道の建物に燃え移って火事になったこともありません。

この松明は枠の中で崩れたのでまだいいのですが、枠から飛び出して道路の上で燃えることもあります。ですから、先に書いたALCの板が必要になってくるのです。

なお、最近は殆ど見かけなくなりましたが、「富士講」という白装束の人達がこのお祭りにやってきます(お山開きの時にもやってきます)。そして、松明の燃えかす(炭)を家に持ち帰って、神棚に飾って「火除け」にしたりします。地元の人でもそういうことをしている人もいることと思います。

一方、2基の御輿達は御旅所に安置されて一夜をここで過ごします。
まずは明神御輿です。格上なので、上には屋根が架けられています。

次いで御影御輿です。

子供御輿(明神1基・御影3基)です。氏子社中の子供(私の母校の後輩)が担ぐのですが、少年野球やミニバスケットボールチーム等に所属している子供が主体です。私はそういうものに入っていなかったので、担いだことはありません。
こちらは、大人と違って、御影を地面にたたきつけることはしないので、担ぎ棒も使い回しです。

こうして、午後10:00頃から日付が変わるまでに露店が撤収し、日付が変わると交通規制が解除されます。
そして、重機やダンプカーがやってきて松明の燃えかす等を積み込んで神社の裏手にある決められた場所へ捨てに行きます(後でその山からALCを取り出したりします)。

さらには消防団のポンプ車が水で砂利等を流し、路面清掃車も出てきてキレイに片付けてしまいます。翌日の昼までは、一般車両が通りますし、さらにはここを御輿が通るので、石等があるとタイヤがパンクしたり御輿を担ぐ人がけがをしたりするからなのです。
ところが、文字通り「真夜中」にこれを行うので、沿道にある旅館等に泊まっている宿泊客にとっては騒音に悩まされることになります。
ウチの場合、この通りから離れているのでそういうことはないのですが、実際に「うるさいから」ということで、沿道の宿泊施設からウチへ移ってきたお客さんもいます。

次の記事では、一般人にとってはなじみが薄くても、地元住民にとっては重要なお祭りについて書きます。


nice!(4)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 4

nice!の受付は締め切りました

コメント 6

コメントの受付は締め切りました
モッズパンツ

さすがに銀行は良い場所を確保しておりますね。w
火を囲んで踊った方が楽しいような気がしますが、踊るようなことは無いようですね。w (^ω^)b
消防団は大忙しですね。w (´∀`)ノ

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2009-08-31 22:35) 

北海道大好き人間

>モッズパンツさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

実は、この鳥居の左側にかつて支店がありまして(今はATMのみ)、その関係で一番目立つ松明がこの銀行から奉納された物になります。

>踊るようなことは無いようですね。w (^ω^)b
「キャンプファイヤー」ではないですから(苦笑)。
数年前、そろそろ片付けにさしかかる頃、中学生男女数名が松明の中に爆竹を投げ込んで大騒ぎになり、しかもそこが警備本部(当然、制服警官がいるのですよ)の真ん前でして、その中学生はこっぴどく説教されていました。因みに、上で書いた松明の近くに警備本部があります。

>消防団は大忙しですね。w (´∀`)ノ
もっと忙しいのは、あと30分程で投稿される記事に詳しく書いております。
by 北海道大好き人間 (2009-08-31 23:34) 

北海道大好き人間

>JJさん
nice!どうも有難うございます。
by 北海道大好き人間 (2009-09-02 19:51) 

moonrabbit

大きなお灸ですね。d( ̄  ̄;)☆\(--
by moonrabbit (2009-09-04 06:28) 

北海道大好き人間

>moonrabbitさん
nice!とコメント、どうも有難うございます。

左の欄にある「最近のコメント」を見ただけだと、選挙の記事に書いてあるのかと思いました。

崩れた松明はまあ、見方によってはそうも見えますね^^;
by 北海道大好き人間 (2009-09-04 12:46) 

北海道大好き人間

>ロスさん
nice!どうも有難うございます。

by 北海道大好き人間 (2010-10-20 21:38) 

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。